こんにちは!
ブログまで訪問ありがとうございます!!


ここは主にコミティアで活動中の二人組小説サークル、
Love&ShineのShineこと、水瀬輝(みなせひかる)のブログです。

相肩のLoveこと、八代愛(やつしろめご)のブログ
Love&ShineのLoveによるブログ(笑)
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イベントの参加情報や、新刊既刊案内を主に載せています。
たまにブログ上で小説を上げることもありますが、基本イベント参加で小説を発表してます。
通販も始めまして、お試し読みページも作ってますので、
良ければのぞいてみていってくださいませ。

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ツイッター実はやってます(笑) @virtuoso0505

出没率低めですが、こっちよりは多いかと(笑)

今までの創作ジャンルは
タイムスリップ時代もの』『悩める高校生』『異世界トリップ』『ファンタジー』『ドタバタ学園コメディ』『不良』『片想い』『中高生向けヤングアダルト
などなど。
書きたいものに飛びついて書いた結果です。
すべて基本はコメディ、ハッピーエンドですので気軽にお手に取っていただけると……!!

プロ目指してますので、感想、ご指摘などいただけるととてもうれしいです!!

最近出版社に投稿しているのは小学校高学年から中高生向けの児童書のジャンルで、
逆にコミティアでは違うタイプを書くことが多いかも。
落っこちたのを改稿してコミティアに出すこともありますので、
徐々に児童書が増えるかもしれません。

こんな感じの自分ですが、今後ともよろしくお願いします!!!



2009年10月03日

コイ。その1-5~8









【1-5】


喧嘩をしたまま、卒業式を迎えた。

相手が声をかけてきても、自分は返事をしなかった。
次第に相手も呆れたのか、声をかけてこなくなった。

それでも目で追ってしまうのが、なんとも情けなかった。
相手は他の友人に囲まれて、笑っている。
どうしようもない嫉妬に焦がれた。

このまま終わってしまうのか。
頭によぎる。

だが自分はどうすればいい。
想いの差を、どううめればいい。
どう整理すればいい。

あきらめる? 
このまま、なかったことにして。


叶わないことは初めから、わかっていたというのに。





【1-6】


――歩いて欲しいんです。自分は。


後輩に呼び出されて告げられた。
怒涛のように告げられた言葉は、心の中に波のように押し入ってきたけれど、
それは、後輩の心の強さを見ただけだった。



絶対叶わない恋。

だから、親友でいようと思った。
そうすれば、ずっと一緒にいられると思ったから。
でも違った。親友でも、相手の傍にはいられない。

ならどんな肩書きなら、相手のそばにいられるのか。
いや、そんな問題ではないことはわかっている。


それならばどんな問題なのか、自分にはわからなかった。





【1-7】


人の心はころころ変わる。
出会ったとき、過ごした時間。
自分は覚悟して、相手の親友という立場をつらぬこうと思った。
この恋情を抱いているからこそ、この立場でいようと思った。
けれど、今はぐらぐらとゆれている。



だって、

――好きなのだ。

どうしようもなく。



伝えられたら何かが変わるのか。
変わってしまうのは、確実だろう。

恋をなめていたしっぺ返しか。
後輩の強さをうらやましく思う。





【1-8】


――たとえ何があっても、自分さえ否定しなければ、
――自分が恋をしていた事実は、消えることはない。



後輩が告げた言葉を思い返してはっとした。
自分は否定しなかったか。それは一番したくなかったことだというのに。


自分は三年間想い続けた相手を探した。
ぼんやりと別の桜の木を見上げる相手を見つけた。
目に入った瞬間に胸が詰まる。


変わる。それぞれ身を置く環境が変わる。
相手のせいではない。それが否応なく訪れるのは、生きているからだ。

このまま離れて、自分はどうなるというのだろう。


相手が自分に気付いた。目が合って、向こうが苦笑を浮かべた。
その顔を見て、謝らなければならないと思った。
あの苦笑はそうだ。もうお互いいい加減にしよう、そういう顔だ。

ダイッキライなんてうそだと、声を大にして叫びたい。
涙がこぼれた。あわてる。あわてる自分を見て、相手が笑った。


だめだ、自分はこの笑顔を放したくない。
けれど自分が想いを告げれば相手は困る。困って、きっと離れていく。
それは物理的な距離ではなく心の距離。

それではダメだと、後輩はきっと怒るだろう。
でも、それが自分という人間なのだ。
立ち止まっているかもしれない。
つらいよ、つらいけど、幸福なんだ。

胸に光るこの灯火を、消したくはない。




ごめんね。
こんな自分を想ってくれてありがとう。





題名:『桜の下で』  


Posted by ひかる at 18:40Comments(4)小説

2009年10月03日

コイ。その2-3








自分の言ったことを、あの人はちゃんと理解してくれただろうか。



歩いて欲しいんです。自分は。
そのまま立ち止まっていたらつらいだけなんです。
自分も、この時間が止まればいいって、思ったことがある。
けれど、時間は止まらないって思い知ったから。
あなたも本当は知っているでしょう。


時間は止まらない。ずっと同じ状況であるはずがない。
それは、人の心も一緒だ。


叶わない恋を叶えるために、自分は告げるのではないのです。
叶わない恋を、なかった事にしたくないから告げるのです。

この一年間、いや、あの人の傍に行きたいと願ってから数えれば、約二年。
この胸に抱いた想いは、いつまでもこの胸にある。
それはもうそれだけで、自分の財産なのだ。


知ってください。気づいてください。
たとえ何があっても、自分さえ否定しなければ、
自分が恋をしていた事実は、消えることはないのだと。



だから前に進んでください。ほら、もう、青に変わります。





題名:『花びらの散る中』  


Posted by ひかる at 13:54Comments(4)小説