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ここは主にコミティアで活動中の二人組小説サークル、
Love&ShineのShineこと、水瀬輝(みなせひかる)のブログです。

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Love&ShineのLoveによるブログ(笑)
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イベントの参加情報や、新刊既刊案内を主に載せています。
たまにブログ上で小説を上げることもありますが、基本イベント参加で小説を発表してます。
通販も始めまして、お試し読みページも作ってますので、
良ければのぞいてみていってくださいませ。

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ツイッター実はやってます(笑) @virtuoso0505

出没率低めですが、こっちよりは多いかと(笑)

今までの創作ジャンルは
タイムスリップ時代もの』『悩める高校生』『異世界トリップ』『ファンタジー』『ドタバタ学園コメディ』『不良』『片想い』『中高生向けヤングアダルト
などなど。
書きたいものに飛びついて書いた結果です。
すべて基本はコメディ、ハッピーエンドですので気軽にお手に取っていただけると……!!

プロ目指してますので、感想、ご指摘などいただけるととてもうれしいです!!

最近出版社に投稿しているのは小学校高学年から中高生向けの児童書のジャンルで、
逆にコミティアでは違うタイプを書くことが多いかも。
落っこちたのを改稿してコミティアに出すこともありますので、
徐々に児童書が増えるかもしれません。

こんな感じの自分ですが、今後ともよろしくお願いします!!!



2012年05月25日

続 仮面(仮) 2p

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1.再会の導き手





 部活を終え、空気の冷たさに身をすくませながら、練習着から制服に着替えているときだった。
――旧校舎の一室から、鈴の音のような少女の歌声が聞こえる。
 小声ながらも鼻息を荒くして話しかけてきた先輩に、愛川涼(あいかわりょう)は呆れてため息をついた。
「高城(たかじょう)先輩ー。怪談はもう時期とっくに過ぎてますよ?」
 一緒に聞いていた、クラスメイトでもある油島(ゆしま)が軽口で返す。涼もうなずいた。
「てか、怪談ができるには早すぎでしょう」
 三人は 旧校舎の方角に視線をむける。間に新校舎があるため直接は見えない。
 旧校舎と言っても、去年までは普通に使われていた校舎なのだ。彼らの通う中学校は、耐震のために新校舎を建て、今年度の始めにそちらに移った。怪談が出来上がるにはまだ早い。
その上今は十二月。そういう意味では遅すぎだった。
「怪談とか、そんなんじゃねえんだよ!!」
 先輩、高城は先日あった出来事を語った。
 塾帰りに聞いた少女の歌声。鍵の開いていた旧校舎。神々しい美少女の出で立ち。
 気がつかれて「帰れ」といわれ、逆らえる雰囲気ではなかった。
「もうあれからちょー気になってさあ。表情とか、なんか抱えてんのは確かでさ! おれになんかできねぇのかなとか、笑ったらちょーかわいいんだろうなとか、てか、そもそももっかい会えないと」
「ちょ、先輩それ一目惚れっすか」
「うっ」
 少女漫画のような乙女な単語を口にした油島に、高城は顔をしかめる。
「き、気になるんだよ。お前らも会ったらわかる」
 認めたのか開き直ったのか、高城は腰に手をあてて断言した。
 涼は苦笑を浮かべながらも少し首をひねった。なんとなく感じるこの既視感はなんだろう。
「でも先輩、マジなんですか? 夢見てたとかじゃないんですか?」
 内心で疑問に思いながらも、涼はとりあえず確認のために高城に質問する。
「んな塾帰りに歩きながら夢みるか」
「でも、その女、どうやって旧校舎に入ったんです? てかそもそも、なんで旧校舎なんかに」
「おれが知るわけないだろ」
「うちの中学の奴じゃないのは確かなんですよね?」
 高城はすぐさま首を振った。
「たとえ違う学年でも、それだったら絶対知ってるはずだ。いたらぜってぇ噂になるって」
「うわあ、マジボレっすね、先輩」
「うっせ!」
冷やかすを通り越して、感心のていでうなずく油島に、高城は顔を赤くしてわめいた。
「とにかく! おれは出会ったんだよ!! んな疑うなら今夜確かめに行こうじゃねえか!」
「ちょ、肝試しはだから時期が……」
「だからそういうんじゃねえんだ!!」
「く、苦しっ」
 余計なことを言った油島は高城に首を絞められて呻く。涼は苦笑しながら間に入った。
「まあまあ先輩落ち着いてくださいよ。別に見に行くのはいいですけど、それから一度も確かめに行ってなかったんですか?」
涼の問いに、高城は油島から手を離して顔をしかめた。
「……なんかお前、やっぱ変わったよな」
「へっ? なんすかそれ」
高城のつぶやきに涼はどきりとした。寒いのに、額に変な汗がうく。
「あ、そうなんですよー。ぶっちゃけ夏前から変わったよな」
「いや、そんな……」
 自然と頬をゆがめ、笑みを形作る。言いかけた言葉は高城にさえぎられた。
「だってお前、前だったら、おれの話疑うような反応しなかっただろ。そんでむしろお前から行ってみないかって言い出すと思ってた」
高城は責めるというより、不思議そうな顔をしている。
涼は笑ってごまかそうとする自分の心を叱咤した。
変わりたいと願ったあの梅雨の日から、もう約半年。『むこう』で得た自分は一点を除いて、消えてしまったと思っていた。
 確かに以前の自分なら、相手の言うことを疑うような発言はしなかったはずだ。なぜならめんどくさいから。下手なことを言って、嫌われるのもいやだ。調子を合わせて自分から確認しに行きましょうなんてことも、確かに言ったかもしれない。
 適当に相手していれば。そんな風に考える自分が嫌で逃げた。変わりたくて。
 けれど結局変われなかった。そう思った。一時、向こうで変わったと思っても、それは演技に過ぎないのではないかと気づいてしまったのだ。
 逃げられるものではないと気づき、戻ったとき逃げるのをやめた。逃げるのをやめただけで、自分を変えられるとは思っていなかったのだが、周りには違うように映るようだ。それがうれしいのと同時に、不安になる。
 涼は固唾をのんで高城の言葉を待ったが、彼はあっさり話を戻す。
「ま、どーでもいい。とにかく愛川、油島。今日夜十時に集合な」
「えええー、先輩、無茶なー! 親に何て言うんですかー」
「適当にごまかせ」
 あまりのあっさり具合に涼は一瞬呆気に取られるが、ほっとする。
「じゃあおれ、友達待たしてるんでお先に」
「あ、逃げる気か愛川ー!」
 高城に肩をがっちり組まれた油島がわめく。涼はひらりと手を振った。
「夜の約束には行くよ。んじゃ、また後で」
「おう」
 高城はにやりと笑い、まだ了承の言葉をはかない油島を追い詰める。
 二人のやり取りを背中に聞きながら、涼は待ち合わせている昇降口へと駆け出した。





続く



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Posted by ひかる at 22:42Comments(0)続 仮面

2011年08月24日

続 仮面 1p


0.鈴の声の少女


 旧校舎の一室から、少女の歌声が聞こえる。
 誰も耳にしたことのないような旋律に、明らかに知らない言語で綴られた詩。
 この世のものとは思えないほど美しい声音で、それはシャランシャランと優雅に響く鈴の音のようだったと、聞いたものはそう証言した。
 時刻は夜の十一時を回ったところだったという。
 彼は塾の帰りだった。学校の横を通るのはいつものことだ。
 その通りは旧校舎の横に面していて、ちょうど差し掛かったとき、その歌声が聞こえた。思わず立ち止まって聴き入ってしまったが、節目で一度声が途切れた際にはたと我に帰り、旧校舎から聞こえているのがわかった。
 彼は歌声に導かれるように金網を乗り越え、旧校舎を見上げた。歌声は三階の教室から聞こえるようだ。ひと部屋だけ、微かに窓が開いていた。
 ふと視線を下ろすと、一階の端の教室の掃き出し窓が開いている。彼はこくりと唾を飲み込んだ。まるで呼ばれているように感じた。
 開いていた窓から校舎に入り、彼は外で確認した教室に向かう。階段を上がり、一歩一歩近づくにつれ、歌声は鮮明になる。しかしやはり、なんと言っているかはわからない。
 ついに教室の前にたどり着く。彼はそっと中を覗き、目にした光景に息をのんだ。
 机もなにもない教室で、月明かりに照らされた少女がひとり、立っていた。真っ白いワンピースは外からの月明かりを反射させて、まるで光を放つようだった。そう、まるで彼女が光っているように感じたのだ。後ろでひとつに編まれた飴色の髪が艶やかに輝いている。
 彼は彼女の横顔に見入ってしまった。まるで月の化身のようにすっきりと整った顔立ちはわずかに目を伏せ、憂いを帯びてはかない。その表情が、彼の心をわしづかみにした。
 不意に少女が動いた。見つめていた彼は急に動いた彼女にびくりと肩を揺らした。彼女は顔をあげ、表情がなくなる。髪をまとめていたゴムをほどき、ゆるくウェーブの残ったそれを整えるように頭をひとふりした。一連の動作を、彼は息を飲んで見つめていた。
 少女はくるりと体を反転させた。彼からは完全に背を向ける形だ。内心で「あっ」と惜しんで息をついた。
 彼女は何故か窓に向かったまま、膝をついて正座をした。訝しく思い見つめていると、シャンと、鈴の音が響く。
「おかえりください」
 その鈴の音が自分に向けられた言葉だと気づくのには時間がかかった。
「部屋の外の方、おかえりください」
 抑揚はない。彼女は淡々と繰り返した。
 まさか気づかれているとは思わなかった。このままでは丸きり覗きの不審人物だ。
 在校生である自分よりむしろ彼女こそが不審者であることは失念して、彼は覗いていたことをいいわけしようとドアに手をかけた。
 しかしそれを遮るように鈴が一振り。
「おかえりください」
 そこに逆らえる雰囲気は微塵もなく、そもそも彼女がいることで教室自体が神域、神聖なもののように感じて、踏み込むことはできなかった。
 彼は気圧されて、後ろ髪を引かれながらも教室から離れたのだった。





続く


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あ、仮面の続きではありますけども、ただ単純に、主人公たちに降りかかるその後の出来事なので、
前シリーズの事件、仮面云々は、あまり関係なかったりします。
多少はありますけど。
シリーズタイトルも思案中です。

てかそもそも「仮面(以下略)」のタイトルも、未だに悩んでいます。(をい)


ではでは。少しでもお楽しみいただけたら‥‥‥。  


Posted by ひかる at 01:12Comments(1)続 仮面